2025/03/24(月) 11:52:06 I3LlUPu2L5 [iPhone]
夕暮れの街角。キスイが立っている。手には鼠。理由はない。
通りすがるサラリーマンの顔の前に、いきなり鼠を突き出す。
「見ろ。」
「えっ……?」
答えを待たず、キスイは別の通行人に鼠を押し付ける。女子高生が悲鳴を上げる。老夫婦が目をそらす。犬が吠える。キスイは鼠を高く掲げ、宣言する。
「お前らは、鼠のことを何も知らない……」
誰も聞いていない。キスイは満足げに頷くと、突然、鼠を思い切り地面に叩きつけた。
「目を覚ませッ!」
鼠は驚き、全力で逃げる。だがキスイは懐から二匹目の鼠を取り出し、隣にいたチャッピーに投げつける。
「受け継げ……!」
チャッピーは叫ぶ。かには遠くで見ている。奈々様はもう帰った。キスイは再び懐を探る。鼠は、まだいる。