キスイは街中で点字ブロックを見つめ、突然「これ、なくてもよくね？」と呟いた。かにがギョッとして「いや、いるやろ！」と制止するが、キスイはスコップを取り出し、ブロックをガリガリ剥がし始めた。

「おい、やめろ！」チャッピーが叫ぶが、キスイは満面の笑みで「大丈夫、大丈夫！今から超なめらかな道にするから！」と謎の理論を展開。

剥がしたブロックを投げ捨てながら、「視覚情報に頼るべきなんだ！」と意味不明なことを言い出す。そこへ通りがかった通行人が「何してんの！？」と激怒。

かにはため息をつき、「これ、どう収拾つけんの？」と聞いた。

キスイはしばらく考えたあと、「……次は横断歩道を消してみるか」と呟き、しばらくその場に立ち尽くしていた。

キスイはそのまま信号機に近づき、「これもいらんわ」と呟いてポケットから工具を取り出す。チャッピーが青ざめて「おまえ、それ犯罪や！」と叫ぶが、キスイは「信号に頼るから人間は判断力を失うんだ」とどこか哲学的な顔。

「信号を消せば、みんなで話し合って渡るようになる。つまり、民主主義や」と言いながら配線を引きちぎると、バチンという音と共に交差点が無法地帯と化す。

そこへシエルが、金の羽根が付いた真紅のジャケットに、サングラスという異様な出で立ちで登場。状況を一瞥し、「……キスイ、君は今日も誤った方向に全力だ。でも、嫌いじゃない」と小さく笑う。

キスイは「だろ？次は標識全部抜こか」と満面の笑みで、次のカオスに向かって走り出した。