2025/03/28(金) 07:04:58 LSsAGU9j7h [iPhone]
銭湯の湯気が立ちこめる中、キスイはじっと湯船に浸かっていた。しかし、その目は明らかに一点を見つめている。
向かいに座る初老の男が気づき、落ち着かない様子で体勢を変える。「……何か用か?」
キスイは微動だにせず、小さく頷いた。「興味深い形だ」
男の顔が引きつる。隣にいた中年の男も視線を感じ、そっとタオルをかける。しかし、キスイは瞬きひとつせず凝視を続けた。
湯船を出た若者が小声で囁く。「ヤバい奴いるって……」
異様な雰囲気に気づいたチャッピーが駆けつける。「おいキスイ、何してんだ!」
「この世の多様性に敬意を払ってる」
「払うな!」
その時、番台のおばちゃんの怒声が飛んだ。「アンタ、もう来んでええわ!」
キスイは静かに頷き、最後にもう一度、じっくりと観察してから銭湯を後にした。