2025/04/05(土) 14:00:32 trMPjCls5Z [iPhone]
「本日は誠におめでとうございます!」
厳かな音楽の中、キスイが壇上に立つ。スーツ姿だが、どこか浮いている。ざわつく会場。新郎新婦も苦笑い。
キスイはマイクを握り、深く息を吸った。
「パンティ……フレグランス。」
一言。凍りつく空気。老若男女が一斉に時を止めたように沈黙する。
「パンティフレグランス。」
再度、強調。空気がひび割れる。
その時、会場の隅からゆっくりと拍手が起こった。立ち上がったのは黒コートの男――シエルだ。
「…いいスピーチだった。香り立つような、狂気。」
キスイは静かにうなずいた。「言葉じゃなく、香りで伝えたかったんだ。」
そのまま二人は何事もなかったかのように席へ戻る。司会は震えながら言った。「えー……ケーキ入刀です!」