2025/04/10(木) 12:44:03 3SEmganFGc [iPhone]
公園の一角で、キスイは手作りの紙芝居台を設置し、集まってきた子どもたちの前で堂々と語り始めた。
「むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが…」
子どもたちはワクワクしながら耳を傾けていた。キスイの演技は意外にも迫真で、「桃太郎が鬼ヶ島に向かうぞ!」という場面では歓声もあがる。
しかし、次の瞬間、キスイはふと立ち上がり、真ん中に座っていた一人の少年の後ろにまわると、何の前触れもなくズボンをずらし、「じゃ、俺はここまでだ!」と叫んで走り去った。
呆気にとられる子どもたち。紙芝居は中途半端なまま風にあおられて散らばり、ズボンを直す少年の後ろ姿が残された。
キスイは遠くから振り返り、「続きはまた今度!」と手を振っていたが、誰も返事はしなかった。