2025/04/10(木) 13:51:08 Kgu4mig1Bg [iPhone]
銭湯の入り口で、キスイはふと立ち止まり、深く息を吸い込んだ。周囲には誰もいない。風にたなびく「女湯」の暖簾を見つめ、なぜか満足げに頷く。
そして唐突に、凛とした声で叫んだ。
「わたしは女チャッピーだ!」
それだけを高らかに宣言すると、キスイは迷いなく女湯へ突入していった。
中では湯けむりが静かに漂い、数人の女性がくつろいでいた。その中に突如現れた異分子に、一瞬の静寂が流れる。
「女チャッピーだ!女チャッピー!」
もう一度叫ぶキスイ。誰かが悲鳴をあげた。スタッフが駆けつける。
「女チャッピーだ!」
連呼される意味不明な自己主張。止めに入る手を振り払うように、キスイはその場で仁王立ちした。
「女チャッピーだ!」
その声だけが、静かな浴場に何度もこだました