「第十三の試練──笑ってはいけない地獄」
かには無機質な部屋に座らされ、目の前のスクリーンに次々と映るのは“絶妙に面白くない映像集”。
微妙な間、謎の変顔、じわじわくるテンポ。笑う要素はどこにもないのに、なぜか笑ってしまいそうな空気だけが充満していく。
笑った瞬間、後頭部に金属バットが飛んでくる。「どこから!?」と振り返っても誰もいない。笑うたびに洗濯バサミで顔を挟まれ、尻にわさびを塗られ、額に「失笑」と書かれる。
写楽の声が静かに響く。
「真の静寂とは、心の笑いを殺すこと…美しいね、かに君」　かには必死で唇を噛み、涙目で画面を見つめながら呻く。「これ……面白くないのに……なんでだよォォ！！」
空間に響くのは、かすれた笑いと、果てしない苦痛の音だけだった。

18秒後に沈むカニ
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