2025/04/14(月) 07:02:20 W1L2oPqY66 [iPhone]
「第十四の試練──エビフライ地獄」
かにが目を覚ますと、巨大なエビフライの衣に全身を包まれていた。
周囲は熱した油の海。写楽の声が上空から響く。「君は“揚がる”ことの意味を、まだ知らない」 天井から吊るされた状態のかには、少しずつ油の中へと沈んでいく。
足先が浸かった瞬間、激痛が全身を駆け巡る。「熱い熱い熱い熱い!!」と絶叫しても、写楽は微笑を浮かべるだけ。
「君の中の“サクサク感”を、私は見たいんだ」 沈むごとに、周囲からは「おいしそうだな」「タルタルつけるか」と囁き声が聞こえ、精神的ダメージも倍増。
もがいても脱げない衣、逃げ場のない油、そして迫りくる“揚げ音”。
かにの脳裏に浮かんだのは、過去に自分が食べたエビフライたちの無言の怒りだった。「こんな……地獄、聞いてねえよぉ……」
その言葉すら、油の音にかき消された。