結婚式、新郎側代表スピーチの時間。静まり返る会場に奈々様が立ち上がり、マイクを手にする。

「本日はお日柄もよく──私は、黒いカエルです」

ざわつく会場。花嫁が一瞬硬直し、新郎がうっすら笑う。チャッピーは爆笑しながらパンを喉につまらせ、かには「なぜ今それ言う！？てかなに！？代表なの！？」と慌てている。キスイはワインをぐびっと飲み干し、「いいスピーチだ」とうなずいている。

奈々様は続ける。「沼の底でしか見えない光があります。今日、それが地上に昇ってきたのです。おめでとうございます」

そのまま頭を下げ、拍手とともに席に戻っていった。