2025/04/14(月) 15:13:21 KCmRZjlA9h [iPhone]
キスイチャッピーかに奈々様は4対4の合コンにきていた。
合コンの席、自己紹介が時計回りに回ってくる。明るく笑う男女の中、奈々様の番が来た。静かに水を一口飲み、口を開く。
「私は……黒いカエルです」
沈黙。箸の音すら止まる。チャッピーがすかさず笑いを取りに走る。「それってつまり、湿ってるってこと!? モテ湿度高め!?」
かには焦って場をつなごうとする。「いやいや、実は哲学的なんだよね、ほら奈々様って、詩人だからさ!」
キスイは唐突に「ちなみに僕はヒツジの神様です」と言い出し、ますます空気が壊れる。
奈々様はそれでも動じず、枝豆をひとつ口に運ぶ。
「この沼のような場にも、意外と光が差すかもしれません」
場は静まりかえりつつ、どこか興味を引かれていた。黒いカエルは、確かにそこにいた。