キスイは万博に降臨した。巨大な紙粘土で作られた「私像（わたくしぞう）」を背負い、全身を銀色に塗って登場。開口一番、「これは私の内面を立体化した結果です！」と叫ぶ。

像の口からスモークが吹き出し、観客がざわめく中、キスイはその場で太鼓を叩き始めた。「心の鼓動を共有しよう！」という名目で、無許可のセッションが始まる。

音が鳴り響く中、キスイは会場中を走り回り、各国のパビリオン前でひとりずつ「あなたの国に足りないものは、これだ！」と叫びながら、折り紙で作った謎の三角形を押しつけていく。

チャッピーがこっそり通報し、かにが「せめて自分の国に戻れ！」と叫ぶが、キスイは高らかに宣言した。

「私こそが、無所属の国ッ！！」

その瞬間、像の頭が崩れ、スモークの中に消えた。場内放送は静かに言った。「次のパフォーマンスは午後3時からです」