真夜中のコンビニ前。キスイは段ボール製の「ATM」を被って立っていた。額には「心の預金、引き出せます」と手書きの札。
通行人が近づくと突然、「暗証番号を…心で唱えてください」と低い声。黙っていると、「無効です。あなたの心は残高ゼロですね」と勝手に判定。
時には「大口取引ですね…ではこちらの“思い出”を現金化します」と言って、石ころを渡してくる。突然、自身の胸を叩いて「取引エラー！思春期が過剰反応しているッ！」と叫び、カバンから飛び出す大量のラブレター（全部自作）。
最終的に地面に崩れ落ち、「誰か…利息を…」とつぶやいて眠り始めた。翌朝、段ボールだけが残されていた。

朝の光が差し込む頃、コンビニの店員が出勤し、段ボールの山に目をやる。「また変なのがいたな…」と呟きながら、ATM段ボールを回収しようと手をかけると、中から一枚の紙切れが落ちた。

『このATMは、一時的に感情の流通を停止しております。再開の目処は未定です。ご理解とご協力をお願いいたします。』

裏には「キスイ株式会社」と赤いクレヨンで書かれていた。

店員は首を傾げつつ、紙をゴミ箱に放り投げる。だ

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全てに疲れた永阪勇一はとうとうかにを永阪家に養子として迎え入れる事にした。