2025/06/11(水) 07:16:17 Kdxz92dmT6 [iPhone]
ある日の夕暮れ、キスイは神社の境内で真顔だった。かにがアイスを食べながら近づくと、キスイがつぶやく。
「1+1は3なんだよ」
かにが咳き込む。「いや、それは…」
キスイは砂利を拾って並べた。「まず、1がいて、もう1が来る。そこで“関係”が生まれる。つまり新たな存在。関係性、それが3つ目の実体なんだよ」
かには頭を抱える。「それなら1+1は∞にもなるやん…」
「そう。だけど3がちょうどいい。バランスが取れてて、会話が起きて、たまに沈黙もできる」
そこへ奈々様が通りがかり、「……ふむ」と一言だけ言って去った。意味はわからないが、キスイは満足げだった。
かにはため息をつき、アイスをもう一本買いに行った。