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シャドーモセスで明かされた驚愕の陰謀
1
匿名動ナビファン
2025/12/15(月) 03:58:04 rnr1uulRjd [Windows]
~シャドーモセスで明かされた驚愕の陰謀~
ーゲイリー・マクゴールデンー

極寒の地アラスカ・フォックス諸島の遥か北に位置するシャドーモセス島。
その断崖に建てられた気象観測所の小屋の中で、私は後ろ手に縛られ、麻袋を頭にすっぽりとかぶせられて座っていた。
外では吹雪が唸り声をあげ、暗く静まっていた。
私の周りを少なくとも4人の男が取り囲み、私を質問責めにしている。
麻袋に充満するコーヒー豆の香りが、この寒さの中で私にブラジル気分を味わわせる。
花を紡いだレーンにチョコレート色の肌をした少女。
椰子の木陰からのぞくまぶしすぎる太陽。
意識が朦朧としてきた。
正面の男がまた同じ質問をする。
「もう一度聞く。この光ディスクは何だ」
「知らねえ。拾ったんだよ」
「何だと、この嘘っぱち野郎!」
みぞおちに強烈なパンチが入った。
逆流してきたピーナツバターが血の味とともにしたたり落ちる。
この数十分の間、好きなだけ殴られ、皮膚を刃物で切り刻まれたおかげで体中が痛い。
それでも私は断固として口を割らなかった。
ここで口を割ってしまったら全てが終わってしまう。
いままでどんな危険も省みずに体当たりの取材を続けてきた私だ。
この程度で自分の信念を曲げる訳にはいかなかった。
「もういい」
小屋の奥から声が聞こえた。
2
匿名動ナビファン
2025/12/15(月) 03:58:19 rnr1uulRjd[Windows]
「ディスクは回収したんだ。早いとこそいつを片づけて、こんな場所からおさらばしちまおう」
回収。
その男は「回収」と言った。
長年続けてきた記者の勘がピンときた。
つまりこの連中はあのディスクの本来の持ち主だということだ。
これですべての謎は白日の下にさらされた。
光ディスクに書いてあったことは間違いはなかった。
やはりこれは、奴等の陰謀だったのだ!
その時!
突如窓ガラスが割れ、外の猛吹雪が入り込んできたかと思うと、私を取り囲んでいた連中が小さく悲鳴を上げて次々と床に倒れていった!

3
匿名動ナビファン
2025/12/15(月) 04:08:57 rnr1uulRjd[Windows]
<突如舞い込んだ郵便物>

それらを明かすには、まず一ヶ月前の話からしなければならない。
シャドーモセス島で一命を取りとめる一ヶ月前、ニューヨークの住み慣れたアパートで私は遅めの朝食を取っていた。
子供の頃、UFOにさらわれてからというもの耳鳴りが止まらない。
家の畑で遊んでいた私は、ぬかるみに足を取られて転倒し、そのまま気を失ってしまった。
意識が戻ったときにはもう夜更けだった。
後頭部に出来たコブを洗面台の鏡で見ようとした時気付いたのだ。
耳の後ろにピンで刺した程の小さい穴が空いている!
テレビで見たことがあった。

4
匿名動ナビファン
2025/12/15(月) 04:19:41 rnr1uulRjd[Windows]
まさか爆弾か!?
封筒に耳を当てて意識を集中する。
だがなんの音も聴こえない。
なるほど、最近の時限爆弾はデジタル時計を使っているからだ。
ましてや私が開けたとき爆発することを意図しているならそのデジタル時計すら必要ない。
つまり、音を出さないこの封筒は爆弾であるという可能性が高いというわけだ。
恐らく封筒の口を開けると爆発する仕組みだろう。
では封筒の下側から開ければ良い。
ビリッ。
あっ。

5
匿名動ナビファン
2025/12/15(月) 04:26:23 rnr1uulRjd[Windows]
ディスクを窓辺で乾かし、先程のピザを食べながら封筒を調べていると、一枚のコピー紙が内側に張り付いていた。
そこにはこう書いてあった。
 「編集部に送られてきた光ディスクを同封する。
 君向きの内容だ。これを元に取材をしてほしい。
 まとまった原稿になれば本にしよう。
 復帰のチャンスだぞ!
  『メガ・サプライズ!』編集長
   マックス・スミスソン         」
マックスは古い友人だ。
私が若い頃はよく彼のマネージメントで本を書いていたが、私が物書きをしなくなってからは交流が途絶えていた。

6
匿名動ナビファン
2025/12/15(月) 04:33:48 rnr1uulRjd[Windows]
 <そこに書かれた驚愕の事実>

私の部屋の隣には貧乏な大学生が住んでいる。
パソコンを借りたいときにはいつもここを訪ねる。
私が彼の部屋のドアを叩き叫び続けると、彼は寝ぼけた調子でドアを開け、パソコンを貸してくれた。
小箱の口にディスクを入れると小さな音をたててデータを読み込み、ディスプレイにファイルのアイコンが表示された。
『シャドーモセスの真実』と書かれている。
だがそのファイルを見ようとしてもエラーが出て開かない。
何故だ!
何らかのセキュリティによってロックがかかっているのか!?

7
匿名動ナビファン
2025/12/15(月) 04:52:37 rnr1uulRjd[Windows]
『シャドーモセスの真実 
      ナスターシャ・ロマネンコ』

テキストの一番上にはそう書かれていた。
背後から勝手にディスプレイをのぞき込む貧乏学生のみぞおちを殴って気絶させると、私はその内容をむさぼるように読みふけった。
なんという衝撃か!
それはまるで凍り付いたカジキで後頭部を打たれたようなショックだった。
知られざる陰謀、ハチャメチャな人体実験、冷酷な軍の秘密兵器。
そこには常軌を逸した信じられない出来事が書きつらねてあったのだ!

8
匿名動ナビファン
2025/12/15(月) 09:08:12 APGvUZcT80[ohter]
>>host-love.
貴様の陰謀どうだ?
9
匿名動ナビファン
2025/12/16(火) 03:08:16 rnr1uulRjd[Windows]
今から二年前、アラスカ・フォックス諸島のさらに北に位置するシャドーモセス島にまつわる、軍の異常行為が報道されたのを有識たるあなたはご存知のことだろう。
オハイオ級原子力潜水艦ディスカバリーが本来の作戦海域を離れシャドーモセス近海に出現。
それに先んじてアラスカ方面に緊急出動していたE-3C AWACSには当時の国防長官ジム・ハウスマンが搭乗。
さらにその16時間後、カレーナ基地から爆弾を積んだ6機のF117ナイトホークがアラスカに向けて離陸していたという、実際に記録が残されている一連の謎の行動。
これらについて当時のマスコミ、ジャーナリストは様々な憶測をしていた。
第三国の軍事侵攻、軍の一部によるクーデター。
この私は、とある雑誌でシャドーモセスはリトルグレイたちのエアポートになっているのだとコメントした。
彼等は各地に秘密基地を持つ、最も有名な宇宙人だ。だがこのファイルによれば、それらは全て間違いだという。
そう、そこで起きていたのは史上空前のテロ行為、しかも軍が生み出した最強のスーパー兵士たちと脅威の秘密兵器による世界人類滅亡の危機だった。
この日、シャドーモセス島にある核兵器廃棄所非正規戦部隊「FOXHOUND(フォックスハウンド)」と次世代特殊部隊のスーパー兵士たちが突然、乗っ取ってしまった。

10
匿名動ナビファン
2025/12/16(火) 03:24:59 rnr1uulRjd[Windows]
 <謎の著者、ナスターシャ・ロマネンコの正体>

手始めにインターネットでこの名前を検索してみるといくつかの真実が明らかになった。
ナスターシャ・ロマネンコはもともと国防情報局(DIA)に勤務していたが退局。
事件当時はフリーの軍事アナリストだったようだ。
つまり核や軍事兵器の知識はお手のもの。
実際、この事件でもそこを買われて「ソリッド・スネーク」のサポートをしていたとディスクにはある。
政府が巧みに隠蔽しようとしたシャドーモセス島の出来事を彼女が知り尽くしているのもそのためだ。
多数ある論文や職歴を見ても彼女は大変な反核主義者だったということが分かる。
つまり突然頭がおかしくなったか、小説家に転身をもくろんでいたのでなければ、このようなものを書く人物ではないようだ。

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